史上最多KO数、129KO勝ち!アーチー・ムーアだと思います。

22歳でミドル級として1936年プロデビューしてから49歳までの30年間に残した129KO勝ちは、記録に残る限りの最多KO数です。39歳にして初めて得た世界ライト・ヘビー級のタイトルは、10年間に9度防衛したあと無敗のまま剥奪されてしまいます。つまり、49歳まで世界王者だったのです。

アルマジロのようにガードを固め、時にはパンチとともに相手と言葉を交わしながら、隙をついて右強打を叩き込む、といった戦いぶりでアーチー・ムーアはKOの山を築いていきました。

1952年、当時の世界ライトヘビー級王者ジョーイ・マキシムからお呼びがかかった時には、彼はすでに110人のボクサーをリングに沈めていたのです。ジョーイ・マキシムはこの試合の半年前に、あのシュガー・レイ・ロビンソンに14回KO勝ちをおさめるなど、決して弱い選手ではなく、案の定接戦となりましたが、15回判定勝ちでムーアが念願の王座を手中にします。

その後、順調に防衛を重ねながらもヘビー級制覇の夢は捨てきれず、時の王者ロッキー・マルシアノに挑んだのです。ヤンキー・スタジアムに集まった大観衆6万5千人のまえで、2回ムーアの右アッパーが炸裂し、マルシアノがダウン。一時は場内が騒然となりましたが、ここで倒しきれずに打撃戦に持ちこまれて9回逆転KO負けを喫します。

さらに翌年、マルシアノ引退で空位となったヘビー級王座の地位をかけて、フロイド・パターソンと争うこととなりますが、5回KOで敗れ、遂に悲願のヘビー級制覇はなりませんでした。

彼の長きに渡るリング生活を支えたものは、多くの専門家たちを唸らせたフェイントの巧みさと、後にジョージ・フォアマンに受け継がれる卓抜したディフェンスでした。1966年には名誉の殿堂入りを果たしています。